スピノザのレンズ磨きを飲みながら『エチカ』を読む

ここ最近、スピノザのレンズ磨きが好評です。インドネシア産のこの豆は、苦みとコクのバランスがよく、気持ちがしゃきっとします。飲んでもまだしゃきっとしない方は、『エチカ』の定理58を読んでみるといいかもしれません。

定理五八 後悔は徳ではない。すなわち理性からは生じない。むしろある行為を後悔する者は二重に不幸あるいは無能力である。

証明 この定理の始めの部分は前定理と同様にして証明される。あとの部分は単にこの感情の定義(感情の定義二七を見よ)のみから明らかである。なぜなら、後悔する人間は最初に悪しき欲望によって、次は悲しみによって征服される者だからである。

スピノザ『エチカ 下(岩波文庫)』畠中尚志、1961年、p.65

「後悔する者は不幸…」までは普通に読めますが、「あるいは無能力」って、結構びっくりしませんか?そして、ちょっとだけ、しゃきっとしませんか?

ちなみに感情の定義二七は『エチカ』の上巻に入っています。「後悔とは我々が精神の自由な意志によってなしたと信ずるあの行為の観念を伴った悲しみである」とのこと。そ…そっけない!

 


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