映画「ハンナ・アーレント」を観ながら

「ひとつの民族を愛したことはないわ。ユダヤ人を愛せと?私が愛すのは友人。それが唯一の愛情よ。クルト、愛してるわ。」

映画『ハンナ・アーレント』の中盤、ニューヨーク・タイムスで、後に賛否両論を巻き起こす論考を発表したアーレントが、病に伏せる友人クルトをイスラエルの自宅まで訪ねた時の台詞です。クルトは振り向きません。この場面に哲学者の孤独が象徴的に描かれている気がしてなりません。

写真は、大学で教えている時のシーンですが、全編通して、アーレントの一服と一緒にご覧頂きたいです。